鉄道コレクションのNゲージ化のコスパを上げる方法を模索した結果…

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鉄道コレクション(以下、鉄コレ)を走行させるためには、TOMYTECの純正品、Nゲージ走行用パーツセット TT-03R(黒)/TT-04R(グレー)などを用いて金属車輪、ウエイト、カプラーを装着するのが一般的かつ確実な方法なのはいうまでもありません。https://www.tomytec.co.jp/diocolle/lineup/tetsudou/unit-02.html

 

しかしながら、1箱で2両分で定価1100円(税込)、2割引きの量販店で購入したとしても880円(税込)ということで、Nゲージ化(以下、N化)する両数が多くなると複数個購入が必要になり、動力ユニットも含めるとパーツ交換代だけでそれ相応の額になります。鉄コレはバリエーションも豊富で、ついつい手を伸ばしてしまう商品が多い反面、N化するコストを含めると、トータルで完成品の車輪セットが買える値段と大して変わらなくなることもあります。それゆえ、N化するコストを下げられないかは常々の課題で、頭を悩ませている方も少なくないと思います。今回の記事は既に様々な方法で実践されている方も多く、似たような内容にはなるかと思いますが、工作の一助になれば幸いです。

 

私は面倒臭がりな性格なので、極力加工も少なく簡単にできる方法でかつ純正品の購入よりもコスパ良くなる方法を模索しました。あと、中古品販売店で部品取り前提でジャンク品を足しげく探せばさらにコストダウンも可能ですが、一点モノは時の運もあり、あまり参考にならなくなるので、新品で買える金額をベースに算出することにします。

 

今回は、昔通勤でお世話になった

京都市営地下鉄烏丸線10系6両セット

と、烏丸線に乗り入れしている

近鉄3200系3両セット×2の計6両

の鉄コレをN化します。

 

まず、純正品で全て揃えた場合のコストは以下になります。

(以降、金額は定価の税込価格で記載します。また金額は2022年6月現在の値段です)

京都市営地下鉄烏丸線10系6両セット

車両本体:TOMYTEC 京都市交通局10系 1・2次車6両セットA 10560円

パンタグラフ:TOMIX 0258 PT4811N 550円×2箱=1100円

動力ユニット:TOMYTEC TM-14 <20m級A2> 3740円

走行用パーツセット:TOMYTEC TT-04R 2.5箱(5両分) 1100×2.5=2750円

計18240円

 

近鉄3200系3両セット×2の計6両

車両本体:【事業者限定】近鉄3200系3両セット 単価6000円×2=12000円

パンタグラフ:TOMIX 0258 PT4811N 550円×2箱=1100円 

動力ユニット:TOMYTEC TM-14 <20m級A2> 3740円

走行用パーツセット:TOMYTEC TT-04R 2.5箱(5両分) 1100×2.5=2750円

計19590円

…改めてしっかりと計算すると、6両セットを純正品パーツでN化したら2万円弱ということで、(ライト非点灯なのに)完成品の車両セットが買えてしまうほどの金額ですね。最近ではモノによっては定価2万円を超える車両セットも少なくないですし、やはり毎月新製品ラッシュで欲しい製品が増えていく中で、いかに割安で手に入れるかは、この趣味の永遠のテーマみたいなところはありますね。

車両本体部分を抜きにして、パーツのみの合算では上記①②の場合いずれも各7590円になります。

 

今回、パンタグラフと動力ユニットは純正品をそのまま採用しました。この部分に関しては多少割引きされた量販店で購入するくらいしかなかなかコストダウンは難しいです。

よって、走行用パーツセットに含まれる

⑴金属車輪

⑵ウエイト

⑶カプラー

の3点に特化して、いかにコスパ良く交換してN化する方法について記していきます。

 

今回、6両編成を2本N化するうち、各1両は動力化するため、残りの5両×2で計10両分を交換した場合のコストについて比べていきます。

 

⑴金属車輪

こちらは、多くの方が採用されている、KATO製を用いる方法にはなりますが、

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11-605は銀色、11-606は黒染めになります。お好みで選択してください。

こちらは1袋で定価550円で8個入りです。

1両につき台車4個使用するので、1袋で2両分ということになります。

今回は10両分必要ですので、5袋購入が必要になります。となると、2750円が台車代となります。

台車だけでも単品のNゲージ車両が購入できるくらいの金額になり、台車代に消えるとなると少し躊躇してしまいます。

 

そこで、今回導入したのはこちらです。

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業務用の1袋120個入りです。定価6600円。

1両につき台車4個使用するので、1袋で30両分ということになります。

29-968-1 は銀色(11-605と同じ台車)

29-968-3 は黒染め(11-606と同じ台車)

今回は10両分必要で、こちらを購入した場合実質2200円ということになります。先述したように、11-605又は11-606を5袋購入すると2750円かかるので、550円(つまり11-605又は11-606一袋分)おトクになります。

初期投資としてはお高いですが、今後新たな鉄コレ商品を導入した場合にも、残りの台車を用いてすぐに換装できますので、長い目で見るとなかなかコスパが良いことがわかります。

 

⑵ウエイト

こちらは代用品でいろいろやりくりしたり創意工夫したりと、人によって対応が変わる部分です。

既に他の方が採用されている方もいらっしゃいますが、コーナンという関西を中心に展開しているホームセンターで売っている下記の写真のものを使用しました。

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コーナンは売場面積が広く品揃えが豊富なのと、店舗によってレイアウトが異なる為、売場を見つけるのに苦労しますが、工具類が並んでいる隅金のコーナーにたどり着けば(売り切れてない限りは)見つけることができます。

似たような商品がいくつかありますが、右上にS-3と書いている、穴が3つ空いているものを選びました。

一袋に2両分のウエイトが入っていることになります。定価は195円。今回は10両分必要ですので、5袋購入してウエイト代は975円ということになります。f:id:wrbluebl5:20220715213749j:image

上記のようにボディと床下部分を分解して、座席のパーツを外した後、床下パーツに購入したウエイトを真ん中あたりにある突起に穴を2箇所嵌めて置くだけです。その後座席パーツを元の位置に戻してウエイトを見えなくします。最後にボディと床下パーツを嵌めて元通りに戻します。

ウエイト1つが約100円ということになり、薄い板金を床下パーツのサイズに加工するといった別の方法でさらにコスパを上げることもできますが、コーナンで購入できるウエイトは純正品のウエイトと厚さもほぼ変わらず、無加工で使用できるので重宝します。

 

⑶カプラー

カプラーはディテールに拘るかそうでないかで、かける金額も人によって異なるところでしょう。

先頭車の運転席側には付属のダミーカプラーがついていますが、この部分は今回は無加工で製品のものをそのまま使用します。よりディテールアップを図るためにはボディマウントTNカプラーに換装すればできなくもないですが、その分コストはさらにかかります。

一方で車両と車両の連結面のカプラーはアーノルドカプラーが標準装備で、このまま使用しても走行はできますが、やはり連結面の間隔が広く見えて実感的でないので、カプラー交換をしたくなります。

こちらもボディマウントTNカプラーを装着すればより見栄えが良くなりますが、6両分だと1編成につき10個のTNカプラーが必要ですので、さらに投資しなければいけません。仮にTOMIXの0337 密連形TNカプラー(SP・グレー・6個入)を採用した場合、1箱6個入りが1650円、1個につき275円なので、10個で2750円ということになります。

もう少し別の方法でコスパ良く連結面を実感的に見せるには、台車マウントでKATOの密連式カプラーに交換するのが一般的ではないかと思いますので、今回はKATOカプラーを交換するやり方で説明します。

 

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TOMYTECの純正品、Nゲージ走行用パーツセット TT-03R(黒)/TT-04R(グレー)の中には、1箱につき連結用アーノルドカプラー4個が付属しています。この連結用アーノルドカプラーを単品にして別途商品化されていれば、アーノルドカプラー部分を外してKATOカプラーに換装するだけなので、ユーザーとしては楽に加工ができるのですが、さすがに他社製品(KATOカプラー)の売上を上げることにもなるので、メーカー(TOMYTEC)側としては今後も単品での商品化はしないのではないかと思われます。

 

では、連結用アーノルドカプラーを代用するにはどうすれば良いか、これが私個人的には長年の課題でしたが、やはり同じ悩みを持っている方が多くいるようで、カプラーポケット部分だけを3Dプリンタで作成されていてそれを販売されているオンラインサイトを見つけました。

https://make.dmm.com/market/

で、注文して届いた品がこちらになります。

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[カプラポケット大 アクリル(Ultra Mode) ナチュラル 112個入り]で3960円(送料込み)でした。

20m級車用で連結間隔の縮小に使用できます。
(車輌によりボルスタ位置が微妙に異なるため対応できない20m級車輌もあります)
カトーカプラーAタイプ用

 

カプラーポケット1個あたり約35円で、今回は1編成につき10個使用しますので350円のコストになります。

 

アーノルドカプラーから交換するKATOカプラーについては

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11-704 KATOカプラー密連形Aグレー(20個入) 440円を準備します。(単価22円)

 

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では工作にかかります。

カプラーポケットをニッパーで外して、組み立て済みのKATOカプラーを嵌めます。

今回はTT-04Rに付属の余剰のカプラースペーサー小(画像の○印)をカプラーポケットに足した上で台車枠に取り付けしました。レイアウトのカーブ半径の関係で連結面が狭すぎると脱線の可能性があるため今回取り付けていますが、走らせる環境によっては別にスペーサーはなくてもいいので、ご自身で判断をお願いします。

また今回購入したカプラーポケットは白いので、グレーや黒のカプラーや台車枠につけると色の違いが目立ってしまいます。私は床下に隠れる部分で、走らせる分には目立たないと判断してそのままにしていますが、気になる方はグレーか黒に合わせて塗装してから取り付けでください。

 

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6両1編成で計10箇所カプラーを交換していきます。

実際レールに載せて、連結面の間隔具合やカーブでの走行を確認して問題なさそうであれば完成になります。

 

では最後に今回の加工方法での気になるコストについてですが、

⑴金属車輪

先述した通り、10両分で2200円

⑵ウエイト

先述した通り、10両分で975円

⑶カプラー

11-704 KATOカプラー 6両1編成で10箇所交換するため、2編成20箇所交換で、22円×20箇所=440円

3Dプリンタで作成されたカプラーポケットは、上記と同数、2編成20箇所使用で、35円×20箇所=700円

これらを合計すると4315円になります。

 

これにパンタグラフ代と動力ユニット代が加わります。

パンタグラフ:TOMIX 0258 PT4811N 550円×4箱=2200円(1箱に2個封入。1編成に4箇所使用)

動力ユニット:TOMYTEC TM-14 <20m級A2> 3740円×2個=7480円(1編成に1個使用)

 

よって、4315+2200+7480=13995円が2編成分のパーツ代となります。

先述した通り、1編成あたりの純正品でのパーツ合算額は7590円。2編成分では15180円となりますので、今回の手法で約1200円弱ではありますが定価ベースで節約できたことになります。

実際のところは量販店でもう少し安くパーツを購入しているので、少なくとも1500円以上はコストダウンできていて、今回の命題であるコスパを上げるという部分においては達成できたと考えています。

 

いかがでしたでしょうか?

これらが何かしら工作のヒントになれば幸いです。

 

今後の課題は、動力ユニットが純正品の中で最も単価が高いので、純正品使用以外の方法でコスパ改善したいですが、何か良いアイディアをお持ちの方はコメントでご教示いただけると嬉しいです。